2014年3月16日日曜日

最上のわざ


最上のわざという詩がある。


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最上のわざ


この世の最上のわざは何?
楽しい心で年をとり、
働きたいけれども休み、
しゃべりたいけれども黙り、
失望しそうなときに希望し、
従順に、平静に、おのれの十字架をになう--。
若者が元気いっぱいで神の道をあゆむのを見ても、ねたまず、
人のために働くよりも、けんきょに人の世話になり、
弱って、もはや人のために役だたずとも、親切で柔和であること--。
老いの重荷は神の賜物。
古びた心に、これで最後のみがきをかける。まことのふるさとへ行くために--。
おのれをこの世につなぐくさりを少しずつはずしていくのは、真にえらい仕事--。
こうして何もできなくなれば、それをけんそんに承諾するのだ。
神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。それは祈りだ--。
手は何もできない。けれども最後まで合掌できる。
愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために--。
すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と--。

Hermann Heuvers


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携帯電話に保存しておいて、時々読んでいたのだけれど、いつでも読めるように紙にプリントアウトして手帳に挟んだ。


「ツナグ」という小説が原作の映画の中で、樹木希林さんが主人公の祖母役でよく唱えていた。

主人公の男の子が、

「祖母ちゃん、この世の最上のわざは何?」

と聞くと、


樹木さんが、

「楽しい心で年をとり、働きたいけれども休み、しゃべりたいけれども黙り、失望しそうなときに希望し、従順に、平静に、おのれの十字架をになう--。」

と、小さな声でつぶやき唱えるのだ。


逆のパターンもあって、劇中に何度も出てくるその言葉を見終わってからすぐに調べた。


そして、私も、時々この言葉をつぶやく。

いつか、空で言えるようになりたい。

そして、それが身に染みた生き方をしたい。






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