栗をむき終わったので、巨峰を食べながら、のへ~んとしている。
巨峰はおいしい。
おいしいが、腰が痛い。
栗をむくのに、二時間半はかかった。30個はむいた。
けっこう、大変な作業だ。
昔、おばあちゃんと日がな一日、栗をむくのが秋の楽しみだった。
おしゃべりをしながら、本当に何十個もむいた。
おばあちゃんは、渋皮煮が得意で、大きな瓶にいっぱいつくっては、冬の間中のおやつにしていた。
雪深い土地柄、秋は保存食つくりが大切な仕事で、そして楽しみでもあった。
ひざまで積る雪、きらきらと光るつらら。
少しずつ雪国の知恵の裏側にある厳しさを知り、離れた土地だけれど、今は懐かしい。
楽しくて、楽なだけではない。でも、厳しさや辛さだけではない。
不思議な色をしたこども時代だった。
そういうものが、気づいたら私の根底にあって、きちんと根付いて芽吹いてきている。
なんだか、あたたかくてうれしい。